高齢化にも伴い透析患者は年々増加しています。中でも糖尿病患者の割合が増加しており、患者さんも高齢化が進んでいます。腎移植は供給が全く追いつかない状態であり、腎不全の方にとって、透析のみしか選択的ないということが多いのが現状です。

今回はそんな透析のシャント不全の原因と診断から治療についてまとめました。

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透析のシャント不全の種類は?

穿刺不能となること

血栓や血栓以外のものが原因でシャントが閉塞してしまいます。スリル(thrill)は触知せず、聴診上もシャント音が聴取できません。

穿刺は可能

穿刺は可能ではあるけど、シャント不全に陥るものには以下のものがあります。

血行動態不全が起こる。

スリル音が減少したり、異常な音が聞こえます。

血流量が低下したり、静脈圧が上昇、四肢の腫脹などが原因となります。

自家血管の成熟不全

自家血管で作った動静脈瘻において、1ヶ月以上経過しても静脈に十分な拡張が得られない場合に起こります。

画像的な異常

血管造影や超音波検査、CT、MRIといった画像の検査でシャントに狭窄や血栓が見つかった場合。

シャント不全の診断は?

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狭窄や閉塞が起こる部位は動静脈吻合部の静脈側に最も多く見られます。他には、透析針穿刺部および非穿刺部の鎖骨下静脈に見られることがあります。また動脈硬化により動脈の狭窄が見られることもあります。

シャント不全を疑ったら、視診、触診、聴診の診察が基本です。これに加えて画像検査をすることが多く、特にドップラーを含めた超音波検査が多用されます。他には、血管造影やCT、MRIといった画像検査が行われることがあります。

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シャント不全の治療は?

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シャント不全と診断したら次に治療を行います。

  • マッサージ
  • ウロキナーゼなどによる血栓溶解

といった保存的な治療をまず試みますが、それでも改善しないときには、外科的な治療や、血管内治療が行われます。これには、シャントそのものを作り変える方法と、温存する方法があります。

手術と血管内治療どっちがよい?

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シャント閉塞後の治療成績は、血管内治療の方が上だという報告が多く、積極的に血管内治療をするべきだという報告もあります。ただし十分な証拠はまだ揃っていません。

また、施設でできる治療にも限りがありますので、NKF-DOQIのガイドラインでは、その施設内で最も成熟した医師が治療するのが望ましいとされています。

血管内治療の画像は?

シャント不全に対する血管内治療のことを、経皮的血管形成術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty)と言います。

実際の血管内治療の画像は以下の通りです。

Percutaneous Transluminal Angioplasty2011年放射線科診断専門医試験問題62より引用改変。

左がバルーン拡張前の血管造影の様子です。シャントは橈骨動脈と橈骨皮静脈を皮下にて吻合するのが、一般的で、狭窄は上で述べたように静脈側でよく起こり、今回も静脈側(→)に狭窄を認めています。

ここにバルーンを持ってきて拡張した結果、右の画像のように狭窄が改善してのがわかりますね。

 

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