血圧は人間にとっての健康のバロメーターと言えます。しかしその健康のバロメーターも基準値としての数値はいくつかあるのはご存知でしょうか?
人間ドック学会は2014年に血圧の基準値を大幅に緩める事を発表しています。しかし高血圧学会とは違う見解のよう…
素人からしてみればどっちを基準として判断していいのか悩むところです。 そこで今回は血圧の基準値に焦点を当ててみます。
健康的な血圧の数値…あなたは本当にしっていますか?
人間ドック学会が2014年に血圧の基準値を変更!その内容とは?
人間ドック学会
人間ドック学会とは人間ドックに特化した公益社団法人です。
人間ドックに関する研究成果の発表や、人間ドック認定医や人間ドック検診専門医など人間ドックに特化した医師の輩出及び、質の継続的な向上を図っています。
そのほかにも施設などの設備を整えるなど、人間ドックを安心して受けられる為の活動をしています。
基準変更の内容とは?
従来の血圧基準範囲は
- 収縮期血圧(上の血圧):130未満
- 拡張期血圧(下の血圧):85未満
と定められていましたが、2014年に健康診断や人間ドックで異状なしと判断する新たな基準範囲が訂正され
- 収縮期血圧(上の血圧):88~147
- 拡張期血圧(下の血圧):51~94
と新たな基準値を設けました。
しかしこの基準は基準値内にいれば健康だと保証するものではないのです。
基準の決め方
この基準は健康な人を無差別に選び、その中でも基準を満たした健康のエキスパート!のような人の血圧を測った平均が今回訂正された数値の範囲内だった。という事です。
健康な人の基準は
- 悪性腫瘍や慢性肝疾患、慢性腎疾患などの持病がない。
- 薬を常用していない。
- B型・C型肝炎でない
- 非肥満(BMI:25未満)
- 喫煙なし
などなどさまざまな角度から健康だと思える人を検査したものなので、このくらい数値があっても大丈夫ですよ。という健康な人の為の基準値なんです。
ですからこの基準範囲にいるから健康だという保証はありません。
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人間ドック学会と高血圧学会との見解の違いとは?
人間ドック学会が基準値訂正を発表した事をうけ、高血圧学会も異例ともいえるコメントを発表しました。
- 高血圧学会の基準は140/90mmHg以上が高血圧の基準で変更はない!
- 人間ドック学会の基準はあくまで健康な人の検査基準であり、健康を保証するものではない。
- 血圧140/90mmHgは全世界共通で原則として医療機関への受診がすすめられる。
など、高血圧の基準は変更しない事を理由も踏まえ解説をしています。詳しくは高血圧学会HPをご覧ください。
結局どちらを目安にすればいいの?
高血圧学会の基準値は高血圧の専門医が「将来病気になるリスク」を踏まえ治療を始める目安を決めているものです。
高血圧は心血管病を引き起こすリスクがあり、早期の予防で改善が見込めます。
人間ドック学会の基準はあくまでも「健康な人」が目安であり、病気のリスクを考えると、治療を目安に定められている基準を重視した方がいいでしょう。
最後に…
- 人間ドック学会は収縮期血圧(上の血圧):88~147、拡張期血圧(下の血圧):51~94。
(あくまで健康な人を調べた数値であり、将来病気にならない保証はない) - 高血圧学会の基準は140/90mmHg
- 140/90mmHgは全世界共通の高血圧基準であり、治療の目安である。
- 将来病気になるリスク軽減の為、140/90mmHg以上の場合は医療機関の受診を。
素人の私たちにはいくつも基準が設けられる事に疑問や不安を感じます。
しかし、理解をする事でより自分の健康と向き合い、知識を得る事で改善行動にも移す事ができます。
高血圧は心血管病などさまざまな病気を引き起こします。 早期予防で改善が見込めるものなので治療を受け、心血管病など病の予防に努めましょう。