化学の実験をしていて、塩酸がはねて眼に入ったということはまれにあります。
- 塩酸が眼に入った。
- すぐに眼を洗浄した。
- でもその後も眼の痛みがある。
こんな場合、どうすればいいのでしょうか?洗ったら、広がってしまうのではないか?などと思ってしまいます。今回は、薬品が眼に入った場合の初期対応と治療方法、診察方法などについてまとめました。
眼の化学外傷とは?
酸性・アルカリ性の化学物質による角膜障害を眼化学外傷と呼びます。意外にも、アルカリ性の方が組織浸透が高く重症度が高いとされます。
眼化学外傷の症状は?
眼化学外傷の症状には、
- 眼の痛み
- 充血
- 流涙
- 視力低下
などがあります。
医師
受診する科は当然眼科です。
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眼の化学外傷で診察することは?
どんな診察をしますか?
医師
フルオレセイン染色を行います。
- 前眼部にフルオレセイン染色
をすることで、角膜のびらんの様子を確認します。フルオレセイン染色とはフルオレセイン試験紙を用いて、眼の表面である角膜や結膜の傷、びらんを分かりやすくする検査です。
角膜のびらんがあれば、そこは緑色に染色され浮かび上がります。
フルオレセイン染色をしてはいけない場合は?
医師
この染色をしてはいけない、しないほうが良いケースは以下の2通りです。
- 眼球穿孔・眼球破裂があるとき
- ソフトコンタクトレンズをしているとき
眼の化学外傷の対応・治療は?
眼科に行く前にできることは何でしょうか?
医師
とにかく早く洗うことです。
眼科を受診する前に、できることは、できるだけ早く生理食塩水で洗浄をすることです。これは塩酸に限らず、薬品が入った場合は共通です。
生理食塩水がない場合は、水でも結構です。その場合、シャワーで拡散することがお勧めです。薬品を飛ばすことが重要です。
その後、眼科受診によりステロイドの内服や点滴の治療が行われます。
最後に
塩酸など薬品が目に入った時はつい慌ててしまい、何をしたらいいのかわからないと思います。
大事なことは、
- できるだけ早くしっかり洗浄すること。
- 眼科を速やかに受診すること。
が重要です。
医師
はいった薬品などを眼科に行って見せることも大事ですね。