人間ドックや健康診断の腹部エコーで「肝のう胞」「腎のう胞」と書かれていると、何かのできものではないかと心配になる人は多い。
結論からいうと、肝のう胞や腎のう胞の多くは、中に水がたまった袋(単純性のう胞)で、治療の必要がないことがほとんどである。ただし、のう胞の壁が厚い、中にかたまりがある、数が非常に多い、といった場合は、CTやMRIで詳しく調べることがある。
この記事では、のう胞とは何か、心配いらないのう胞と詳しく調べるのう胞のちがい、受診の目安を整理する。
- のう胞は、中に液体がたまった袋のようなもの。肝臓や腎臓によく見つかる。
- 壁がうすくなめらかな「単純性のう胞」は、多くは治療がいらない。
- 壁が厚い、中にかたまりやしきりがある場合は、CTやMRIで詳しく調べる。
- のう胞が大きくて痛みがある場合や、数が非常に多い場合は医療機関で相談する。
のう胞とは
のう胞(嚢胞)とは、中に液体(水など)がたまった袋のようなものである。肝臓や腎臓のほか、膵臓、甲状腺、卵巣などさまざまな臓器にできる。
肝のう胞や腎のう胞は、健康診断の腹部エコーで見つかることが多く、特に腎のう胞は年齢とともに増え、中高年ではよく見られる。ほとんどは生まれつき、または年齢による変化で、はっきりした原因はわからないことが多い。
実際の腹部CT(正常例)で、肝臓と腎臓の位置を確かめておきましょう。のう胞は、こうした臓器の中に、水のたまった丸い袋として見つかります。

心配いらないのう胞と、詳しく調べるのう胞

エコー検査では、水は黒く写る。中がまっ黒で、壁がうすくなめらかなのう胞は単純性のう胞とよばれ、多くは治療の必要がない。
一方、次のような特徴があるのう胞は、腫瘍などとの区別のために、CTやMRIで詳しく調べることがある。
- のう胞の壁が厚い、でこぼこしている
- 中にかたまり(充実部分)がある
- 中にしきり(隔壁)がある
- 前回の検査より大きくなっている
のう胞がたくさんある場合
両方の腎臓にのう胞がたくさんできて、腎臓が大きくなっている場合は、多発性のう胞腎という遺伝する病気のことがある。少しずつ腎臓の働きが落ちることがあるため、腎臓内科で定期的に診てもらう必要がある。家族に同じ病気の人がいる場合は、そのことも医師に伝えてほしい。
受診の目安
- 判定が「要精密検査」「要受診」だった
- のう胞の壁が厚い、中にかたまりがあると言われた
- 前回より大きくなっていると言われた
- のう胞が大きく、おなかの張りや痛みがある
- 腎臓にのう胞がたくさんある、または腎機能(eGFR)の低下も指摘された
まとめ
- 肝のう胞・腎のう胞は、中に液体がたまった袋で、健康診断のエコーでよく見つかる
- 壁がうすくなめらかな単純性のう胞は、多くは治療がいらない
- 壁が厚い、中にかたまりがある、大きくなっている場合は、CTやMRIで詳しく調べる
- 腎臓にのう胞がたくさんある場合は、多発性のう胞腎のことがあるので腎臓内科へ
ほかの検査項目の見方 → 健康診断の結果の見方まとめ(A〜E判定の意味と検査項目の一覧)





