白血球像は、感染源が細菌かウイルスかの識別や白血病の鑑別に用いられます。
血液をスライドグラス上に塗沫し、染色鏡検することで、白血球の形態異常や種類の偏りを明確にする検査となります。
この検査により、感染症や各種白血病、血液系の悪性腫瘍など色々な疾患の鑑別が可能となります。
今回は、白血球像の種類などをまとめました。
白血球像ってなんで検査するの?
白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球、形質球などの種類があります。
これらの白血球が、白血球100個の中にどれ程の値を占めているか、比率を百分比として算定する検査です。
各球は種類によって働きが違うため、その中のどれが増減しているかを調べることにより、病気を診断する際の一つの手がかりになります。
検査にあたっては、まず血液をガラススライドの上に塗り、色素で染めてから形を観察して分類します。
白血球像の正常値と異常値は?
・正常値
検査の結果、好中球約60%、リンパ球約30%、単球約5%、好酸球約3%、好塩基球約0、5%、形質球0%であれば正常と判断されます。
・異常値
これらの血球の分布から正常値と大きくかけ離れた数値の時は、異常値と判断されます。
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異常のときに考えらえる病気は?
・好中球が多いとき
外傷、炎症、感染症、鉛中毒、心筋梗塞、出血骨髄性白血病などが考えられます。
・リンパ球が多いとき
百日咳、ウイルス感染症、リンパ性白血病、リンパ炎などが考えられます。
・単球が多いとき
マラリヤ、結核、腸チフスなどが考えられます。
・好酸球が多いとき
喘息、蕁麻疹、回虫症、十二指腸虫症、慢性骨髄性白血病、レフレル症候群などが考えられます。
・好塩基球が多いとき
甲状腺機能低下症、慢性骨髄白血病などが考えられます。
白血球像の検査で注意すべき点は?
好中菌、リンパ球、単球は体の中に侵入してきた細菌や異物を食べて消化します。
その他、リンパ球は免疫反応と、好酸球は副腎皮質機能とそれぞれ深い関わりがあると言われています。
採血後、塗抹までの時間が長くなると、白血球の変形や破壊が進み、リンパ球,単球の比率が高くなる傾向があり、好中球も分葉が進む場合がありますので注意が必要です。
最後に
異常があった場合は、骨髄検査、血沈や血小板数など各種の血液検査の結果などと総合的に照らし合わせて、それぞれの分画の増減から疑われる病気の確定診断をし、病気の治療を開始する事になります。