人間ドックは、症状がある人が受診するのじゃないの?
と思われているかたもおられますが、実は違います。
ここでは、人間ドックの定義と、
そもそも人間ドックは症状がある人が受けるものではないということ
を説明したいと思います。
人間ドックとは?
Case1
先日人間ドックを受けて問題ないと言われた。ここのところ、「疲れやすい」「お腹が痛い」「咳がよく出る」。でも先日の人間ドックで問題ないと言われたから病気がないはずだ。
先日人間ドックを受けて問題ないと言われた。ここのところ、「疲れやすい」「お腹が痛い」「咳がよく出る」。でも先日の人間ドックで問題ないと言われたから病気がないはずだ。
Case2
ここのところ、「疲れやすい」、「お腹が痛い」、「咳がよく出る」といった自覚症状があるので、人間ドックに行って調べてもらおう。
ここのところ、「疲れやすい」、「お腹が痛い」、「咳がよく出る」といった自覚症状があるので、人間ドックに行って調べてもらおう。
実はこれらはいずれも誤りです。
まず、人間ドックや健康診断というのは、
がんや脳卒中、心疾患などの三大疾患の早期発見や、
糖尿病・高血圧・高脂血症といった生活習慣病の予防や発見には有効と言えますが、
症状があるものに対しての精査(詳しく原因などを調べること)には向いていないからです。
もともと人間ドックという名前の由来は、船のドックから来ています。
長旅を終えて戻って来た船が、
ドックに入ってマニュアルに沿った一連のチェックを受け、
必要があれば整備・修理をして次の航海に備えるというものです。
人間においても、定期的にチェックを受けていれば
健康を維持できるという考えから人間ドックと言われます。
つまり、
基本的に症状のない「健康な人」を対象とし、どこかガタが来ていないかをチェックするのが人間ドックです。
明らかな故障(症状)があれば、
マニュアルとは別に修理(検査および治療)する必要があります。
マニュアルはあくまでマニュアルであり、
故障に気付かないこともあるのです。
人間も同じで、症状があるのならば、病院に行き、
症状に合った科を受診する必要があり、
健康な人向けのマニュアルに沿った全身のチェックをしている場合ではないということです。
また、そのマニュアルに沿ったチェックでは、
拾えない異常も多々あるということです。
まとめ
人間ドックで問題ないと言われたから、病気はないというのは誤りであり、
また、症状があるときに、人間ドックで調べてもらおうとするのも誤りだと言うことです。
・健康なときに日常の自分を健診してもらう→人間ドック
・症状があるときに受診する→病院の該当科
・症状があるときに受診する→病院の該当科
ということです。