若い人、高齢者、
太っている人、痩せている人、
運動を定期的にしている人、1日中パソコンの前にいる人、
毎日お酒を飲む人、全く飲まない人…
人間は決して同じ生活習慣で生きているわけではありません。
にも関わらず、採血の結果などは、
男か女かの2択のみで、正常値の範囲が定められています。
正常値とされている範囲にあれば、必ず正常なのでしょうか?
逆に、正常値に入っていなければ、必ず異常なのでしょうか?
答えはNoです。
人間は千差万別なのに検査の正常値は同じ
検査値の基準値(正常値)というのは、
下のように、正常な95%の人が取る値を指しており、
ここに入らないことが、イコール異常という意味ではありませんし、
逆に入れば正常という意味でもありません。
大事なのは経過観察・経年変化
大事なのは、前回の検査と比べてどうだったか、
前々回の検査と比べてどうだったかということです。
正常範囲内であっても、前回と比べて急激な変化を見せている場合、
採血項目によっては異常と捉えるべきものもあります。
また、これは、採血などの数値だけではなく、画像における検査も同じです。
同じ脳の動脈瘤にしても、大きさにもよりますが、
去年と変化ないならば様子を見ればいいでしょうし、
逆に、去年より大きくなっていたら問題です。
脳動脈瘤だけでなく、肺にしばしば見られる結節で同様です。
このように人間ドックと上手く付き合って、その結果を最大限に生かすには単発で受けるのではなく、前回との比較という点が非常に重要になるのです。
さらには、同じ検査を受けても、
機器や専門科の質によっても結果が異なることがあります。
去年質の良いMRIで脳ドックを受けて動脈瘤が指摘されたけど、
今年悪い機械で受けたら、動脈瘤がないと言われた、
なんてことにもなってしまいます。
まとめ
このように、同じ採血の結果一つとっても、肺の結節一つとっても、
前回と比べてどうだったか、去年と比べてどうだったか、
が非常に重要なのです。
人間ドックを最も上手く活用するには同じ施設で、定期的に受診することなんですね。