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肺炎とは、細菌やウイルスなどの病気を起こす微生物(病原微生物)が肺に入り感染し、肺が炎症を起こしている状態です。

誰にでもかかる可能性がある肺炎ですが、実は、癌、心臓病、脳卒中に続いて、日本人の死亡原因の第4位になっている病気なのです。

この様に油断の出来ない病気ですが、肺炎の時はどのような食事を摂るべきなのでしょうか?

また、肺炎の治療期間や高齢者の場合も気になるものです。

そこで今回は、

  • 肺炎の時の食事のポイント
  • 肺炎の治療期間
  • 高齢者の肺炎の入院期間
  • 肺炎の治療法
  • 高齢者の肺炎の治療法
  • 高齢者の肺炎の注意点
  • 肺炎の診断

以上について説明していきます。


肺炎の時の食事のポイントは?

肺炎の時の食事のポイントはありますか?

肺炎の時には食事で体力補強をすることが大切です。

医師
食事でのポイントは以下の通りです。

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高カロリー・高タンパクなものを摂取

体力を回復させ、抵抗力を高めるために高カロリー・高タンパクなものを摂取する。

ただし身体の負担を考え油分を抑えた消化の良いものにしてください。

水分補給

水分補給を十分にし、発熱による発汗を補充する。

まったく食欲がない場合は水やスポーツドリンク、果汁100%のジュースなどを摂取してください。

お茶には咳を誘発するカフェインが含まれているので避ける様にして下さい。

流動食

高熱のときは流動食を取り入れる。

牛乳や果汁、おもゆやおじやで、胃腸に負担をかけないようにしてください。

また、咳がひどい時は固形物を食べると咳こんでしまう事もあるので喉越しの良い流動食がおすすめです。

発熱や咳・呼吸困難に効果のある食材

おろした生姜、蓮根、大根は発熱や咳・呼吸困難に効果のある食材なので積極的にメニューに取り入れるようにしましょう。

肺炎の治療期間はどれくらい?

肺炎の治療期間はどれくらいですか?
医師
適切な治療を受けた場合で約1週間~数週間となるのが一般的です。

治療にかかる期間は症状が軽い場合は自宅療養が一般的で、外来で抗生剤を処方してもらい、自宅で服用しながら安静にすることで、1週間くらいで回復することがほとんどです。

しかし症状が重い場合は入院となり、抗生物質の点滴、かなりの重症の場合は酵素吸入を行います。

また、入院には消耗した体力を回復させる目的もあります。

入院期間は2週間~3週間となるのが一般的ですが、体力があって若い人はもう少し短くなることもあります。

治療期間は本人の体力や受診した時期などにより違いがでます。

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高齢者の肺炎の入院期間は?

高齢者の肺炎の入院期間はどれくらいですか?
医師
高齢者の場合、入院期間が長期化する傾向となっています。

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高齢者は体力や免疫力がかなり低下しており、一般成人では治る肺炎が治らない場合もあります。

それに加え、他の疾患を伴っている確率も高いですから、肺炎による危険度はかなり高くなります。

以上のことを考慮して、高齢者の場合、肺炎の主な症状が出ていなくても肺炎が疑われる場合は早めに受診することをおすすめします。

また、高齢者の場合は病状が急に悪化する可能性もありますので、たとえ症状が軽くても入院するほうが安心です。

しかし、入院し安静にすること=身体を動かすことが減ってきますのでただでさえ低下してきている運動機能や反射機能などがさらに低下してくる可能性も高くなります。

そうなると誤嚥性肺炎になるリスクも上がり、誤嚥性肺炎を起こしてしまう身体の状態ですと命に関ることもあります。

この様な点から高齢者が肺炎にかかってしまった場合、注意をはらい、万一に備え最悪の状況も考慮しておくことが必要となります。

肺炎の治療法は?

肺炎の治療法を教えて下さい。

肺炎の主な治療法は、服薬と安静となります。

医師
それでは、主な治療法を以下に詳しく説明します。

薬物治療

肺炎の治療には主に薬が用いられます。

この薬は、病原微生物を死滅させる抗菌薬が中心となります。

肺炎の治療は、これまで入院して注射薬で治療することが原則とされていましたが、最近は優れた経口抗菌薬が用いられるようになり、全身の状態が良好で軽症な肺炎の場合は外来で飲み薬を中心とした治療も可能となっています。

抗菌薬の種類
  • 肺炎球菌や連鎖球菌などが原因の場合→セフェム系やペニシリン系といった「βラクタム系抗菌薬」が使用されます。
    この抗菌薬は、細菌の形を保つ細胞壁の生成を阻害することで菌を死滅さる働きがあります。
  • マイコプラズマやクラミジアが原因の場合→細菌が活動するために必要なタンパク質の合成を阻害する作用を持つ「マクロライド系」「テトラサイクリン系」、細菌の遺伝子に接近して増殖を防ぐ「キノロン系」などの抗菌薬が使用されています。

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以上のように、抗菌薬で原因となる菌を取り除く治療法の他、症状を軽減させるために以下の様な対症療法も行われます。

  • 咳を鎮める鎮咳薬(ちんがいやく)
  • 熱を下げる解熱薬
  • 痰を出しやすくする去痰薬
  • 息苦しさや咳をやわらげる気管支拡張薬など

また、体力のない高齢者は口から薬を飲むことが難しいことがあるため、誤嚥性肺炎に対するリスクを予防する意味も含め、抗生物質を血管注射で投与する方法がとられることもあります。

安静

体力や抵抗力を高めるためにも、温かくして安静に努める事は大切です。

室温や湿度を快適に保ち、乾燥を防ぎ、咽頭への刺激を避けるようにしてください。

また、熱や食欲不振による脱水症状の防止として、水分を十分に摂り、栄養もしっかりとるように心掛けて下さい。

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高齢者の肺炎の治療は?

高齢者の肺炎の治療法はどうなりますか?
医師
基本的には一般の肺炎治療とさほど変わりません。

細菌性肺炎の場合は症状の重症度にも関りますが、主な肺炎の治療は抗菌薬の投与となります。

その他、症状によっては解熱剤や鎮咳薬、気管支拡張剤なども用いられ、これらの治療を進める中で、期間をあけてレントゲン撮影をし、肺にある影の有無の確認をします。

通常、症状が軽ければ自宅で薬を服用し安静にしていれば1週間ほどで治ることがほとんどです。

しかし、重症となると入院し、治療をする必要があり、その期間は約2~3週間ほどで、抗生物質の点滴や酸素吸入などを行います。

この入院期間は患者の体力も関わるため、高齢者の場合は期間が長くなる場合もあります。

誤嚥性肺炎でも、抗生物質の投与により治ることもありますが、もとの原因である誤嚥を治さなくては、再発、そして悪化してしまいます。

また、嚥下を改善する物質を摂取することも有効的です。

以下の薬が嚥下反射を高めて肺炎を予防することがわかっています。

  • アンデオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
  • 抗血小板薬(シロスタゾール)

 

関連記事)誤嚥性肺炎まとめ!起炎菌から症状、診断、治療まで!

高齢者の肺炎の注意点は?

family肺炎の死亡率を年齢別に見てみますと、65歳以上の高齢者がその90%以上を占めており、医療が発達した現在でも、肺炎は特に高齢者とっては非常に恐い病気となっています。

何故高齢者に肺炎が多いのでしょうか?
医師
その理由として、以下の点が考えられます。
  • 高齢になるほど体力も免疫力も少しずつ低下するため、細菌やウイルスによる感染症にかかりやすいこと。
  • 持病をお持ちの方が多いため、感染症にかかると重症化しやすいこと。

さらに、肺炎の場合には、高齢者特有の特徴がいくつかみられますので、以下に説明します。

特徴1.高齢者には、肺炎の典型的な症状が出にくい。

高熱、悪寒、咳と痰、胸痛などの症状があまりみられず、倦怠感や食欲不振といった程度の症状にすぎないことが多く、そのため発見が遅れ、気付いた時には既に重症化しているケースが多いのです。

こうした特徴をご本人はもちろんご家族も知っておき、たとえ軽い風邪のような症状であっても、長引くときは早めに受診し、肺炎を起こしていないかどうかの検査を受けることが大切です。

特徴2.誤嚥(ごえん)によるもの。

高齢になると、飲み込む機能が低下するため、食べ物や飲み物が食道ではなく気管に入ってしまい咽ることが多くなります。

その際に、飲食物や唾液などに含まれている細菌が気管から肺に入り込むと、肺炎(誤嚥性肺炎)を発症しやすくなります。

誤嚥を防ぐために心掛けること。
  1. ゆっくり食事をすること。
  2. 少量ずつ口に入れること。
  3. 姿勢を良くして食事をすること。
  4. 食べながらお喋りをしないこと。

また、高齢の方は、インフルエンザから肺炎を引き起こす可能性も高いので、インフルエンザ・ワクチンなどの予防接種を、きちんと受けておくことも大切です。

肺炎の原因菌でもっとも多いとされる肺炎球菌にも、予防のための肺炎球菌ワクチンがありますので、持病などによって肺炎のリスクが高い方は、医師と相談して予防接種をする事をおすすめします。

肺炎の診断は?

医師
肺炎の診断は以下のように行なわれます。

重症度の判断

肺や腎臓、心臓などの働きを調べます。

場合によっては、入院治療が必要となることもあります。

肺炎の原因となっている菌の種類を調べる。

原因となる菌が明らかになれば、その菌に効く薬(抗生物質)が選ばれます。

肺炎の原因として最も多いのが、細菌感染によるもので、日常でかかる肺炎の原因菌で最も多いのは、肺炎球菌です。

その他の細菌
  • インフルエンザ菌
  • マイコプラズマ
  • クラジミア
  • レジオネラ
  • 黄色ブドウ球菌など

これらの原因菌ごとに対処法や有効的に働く薬(抗生物質)が異なりますので、肺炎の治療は、原因となっている病原菌(細菌やウイルスなど)が何なのかを見極め、それに合った薬を用い治療を行ないます。

原因菌を特定する方法として、尿や痰の検査をします。
その他には、身体所見や胸部のX線写真などで状態を診断し、肺炎の種類を調べてから適切な治療方法を選びます。

症状が重い場合はすぐに入院となる場合もありますが、体内に侵入した菌の増えるのを抑制したり、死滅させる働きのある抗菌薬を服用する薬物治療が主流になってきているため、ほとんどの場合、外来診療ですむ事が多いです。

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最後に

医師
今回のポイントのまとめ!
  • 肺炎の時には食事で体力補強をすることが大切である。
  • 肺炎の治療期間は、適切な治療を受けた場合で約1週間~数週間となるのが一般的である。
  • 肺炎の主な治療法は、服薬と安静となる。
  • 高齢者の入院期間は長期化する傾向にある。
  • 肺炎の診断では、重症度の判断、肺炎の原因となっている菌の種類を調べることなどが行なわれる。

 

肺炎の多くは、風邪やインフルエンザにかかったあとに起こりますので、まずは風邪やインフルエンザにかからないようにすることが重要です。

そのためには、うがいや手洗い、マスクなどの予防をしっかり行うことを心がけ、インフルエンザ・ワクチンの接種も念頭に入れてください。

それでも風邪ぜやインフルエンザにかかってしまったら、悪化させて肺炎にならないよう、早めに病院へ行くことが大切です。

風邪を軽視することなく早めの治療を心掛け、肺炎にならない様に気をつけたいと思います。



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