Pulmonary edema Eye-catching image

肺水腫の原因で最も多いのは心不全であり、肺水腫=心不全と考えている人もいますがそうではありません。(詳細はこちら→肺水腫の原因、症状から診断までまとめ)

肺水腫の画像診断はレントゲンであっても、胸部CTであっても慣れないと画像からはなかなか難しいところがあります。そこで今回は、肺水腫のCT画像を目に焼き付けていただくために肺水腫のCT画像10選を集めました。

なお肺水腫ではどう言ったレントゲンやCT画像になるのかはこちらにまとめましたので、合わせてご覧下さい。→肺水腫や心不全の胸部レントゲンやCT画像診断のポイントは?

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心不全が原因の肺水腫CT画像7選

上で述べたように肺水腫の原因として最も多いのが心不全であり、特に左心不全です。

左心不全で肺水腫となる機序は以下の通りです。

Pulmonary edema

医師
そこでまずは心不全が原因で肺水腫となったCT画像を7症例見ていきましょう。

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症例1 80歳代男性  心房細動及び大動脈弁閉鎖不全症によるうっ血性心不全

【CT所見】肺野に上葉優位に気腫性変化あり。気管支血管束の肥厚及び中枢側優位にすりガラス影あり。心拡大及び心嚢水貯留あり。間質性肺水腫の状態。

診断:エコーと合わせてrapid Af +ARに伴ううっ血性心不全

pulmonary edema due to heart failure3

症例2  50歳代男性  拡張型心筋症に伴ううっ血性心不全

【主訴】起坐呼吸 ピンク色痰
【CT所見】(エコーにて拡張型心筋症に伴ううっ血性心不全と診断されている)
両側中枢側優位にすりガラス影、小葉間隔壁の肥厚、気管支血管束の肥厚あり。両側胸水あり。拡張型心筋症に伴ううっ血性心不全に矛盾しない所見。

pulmonary edema due to heart failure7

症例3 80歳代女性  心不全

【主訴】呼吸苦、胸部不快感、顔面・両側下腿浮腫あり。
【CT所見】心拡大および心嚢水あり。肺動脈拡張あり。肺野では小葉間隔壁の肥厚、気管支血管束の肥厚、中枢側優位にコンソリデーションあり。胸水貯留あり。心不全を疑う所見。

pulmonary edema due to heart failure1

症例4 60歳代男性   左心不全による肺水腫に加えて、右心不全の合併

【主訴】1週間前からの呼吸困難
【心エコー所見】TTE:wall motion diffuse hype, EF 40%,LV dilatation(+),LVH(+),moderate MR,AS(-),mild AR,severe TR, IVC dilatation(+),RC decreased,PE(-)
【CT所見】肺野に気管支血管束の肥厚及び肺底部を中心に小葉間隔壁の肥厚あり。またすりガラス影が散見される。両側胸水あり。IVC拡張あり。左心不全による肺水腫に加えて、右心不全の合併あり。

pulmonary edema due to heart failure2

症例5 40歳代男性   拡張型心筋症による急性心不全

【主訴】呼吸苦
【CT所見】気管支血管束・小葉間隔壁の肥厚あり。中枢側優位にすりガラス影〜コンソリデーションあり。心拡大あり(拡張型心筋症と診断されている)。心嚢水あり。多発性嚢胞腎あり。心不全を疑う所見。

診断:拡張型心筋症による急性心不全

pulmonary edema due to heart failure4

→この症例の心不全のCT画像所見を見てみる。

症例6 70歳代女性  心不全

【CT所見】小葉間隔壁の肥厚及び気管支血管束の肥厚あり。小葉中心性のすりガラス影あり。少量胸水あり。葉間胸水あり。心不全による間質性肺水腫を疑う所見。

pulmonary edema due to heart failure5

 

症例7 40歳代男性   左心不全による肺胞性肺水腫

【CT所見】 (エコーにて左心不全(求心性肥大、EF=35-40%と低下。)の診断。)
肺野には両側中枢側優位にコンソリデーションあり。気管支拡張も一部であり。両側胸水あり。心拡大は認めないが左室壁肥厚あり。心嚢水あり。左心不全による肺胞性肺水腫を疑う所見。

pulmonary edema due to heart failure6

→この症例の実際の心不全のCT画像を見てみる。

心原性以外の原因の肺水腫CT画像

医師
では続いて心原性以外の原因が原因で起こる肺水腫の症例を見ていきましょう。

症例8 40歳代男性 慢性腎不全、尿毒症肺による肺水腫

【主訴】呼吸苦
【CT所見】髄質嚢胞腎による慢性腎不全。肺野では、中枢側優位に浸潤影あり。両側胸水あり。
慢性腎不全、尿毒症肺による肺水腫が疑われる。

pulmonary edema1

症例9   50歳代男性  過剰輸液による肺水腫

【CT所見】両側肺野に中枢側優位に浸潤影〜すりガラス影あり。気管支血管束の肥厚あり、両側胸水あり。腸間膜及び皮下は浮腫状。腹水あり。過剰輸液があり、過剰輸液による肺水腫と診断された。

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過剰輸液による肺水腫のCT所見はこちら。

症例10 40歳代 男性  脳出血による神経原性肺水腫

【CT所見】頭部CTにおいて脳出血の脳室内穿破あり。肺野には両側中枢側優位にすりガラス影〜一部でコンソリデーションあり。脳出血による神経原性肺水腫を疑う所見。

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脳出血による神経原性肺水腫のCT画像所見はこちら。

最後に

肺炎なのか心不全による肺水腫なのか、あるいはそれらを合併しているのか、臨床の現場では非常に悩ましいことも多々あります。

なお肺水腫ではどう言ったレントゲンやCT画像になるのかはこちらにまとめましたので、合わせてご覧下さい。→肺水腫や心不全の胸部レントゲンやCT画像診断のポイントは?

臨床症状や基礎疾患、採血データなどと併せて診断をしていくことになりますが、肺水腫というのはCT画像でこのような所見を認めるということを目に焼き付けることによって、少しで明日からの医療に役立てば幸いです。

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