胸部CTの肺区域の解剖は

肺は肺葉からなり、その肺葉はさらに肺区域に分けられます。S1とか、S2とかS○と表現されるのが肺区域ですね。(詳しくはこちら→肺葉及び肺区域の解剖は?)

この肺の構造は左右対称ではなく、解剖を理解するのには苦労します。上から順番に肺区域のS1,2,3・・・と番号が付いていればいいのですがそうではありません。

しかし、胸部CTで肺に病変があるときに、それが肺区域のどこに相当するのかを表現するときに肺区域で表現する必要があります。そこで、今回は、肺区域の覚え方を気管支体操(ブロンコ体操)のイラストとCT画像を用いてわかりやすく、まとめました

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肺区域の覚え方!肺区域体操(ブロンコ体操)とは?

肺区域は肺を前から見た場合、このように見られます。S6は肺の後ろ側に存在するため前から見た図では存在しないのでした。

a lobe of the lung4

この一見ややこしい肺区域を覚える方法として、肺区域体操(ブロンコ体操)で、実際のCT画像を見ながら、それを紹介します。

肺区域体操って何でしょうか?
医師
ややこしい肺区域を体で覚えようとする体操です。

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S1(S1+2)

S1は肺のてっぺんで、肺尖部に存在します。

右の場合S1は肺尖区と呼ばれ、左の場合はS1は2がくっついているのでこれをS1+2と呼び、これを肺尖後区と言います。肺区域体操では、肺のてっぺんということで、両手を上に突き出します。イラストでは以下のようになります。

bronchus taisou1

CTで見ると、このように上は肺尖部から始まります。

S1 of lung CT

S2

続いて、右ではS2はS1と同様に上葉に存在しますが、S1のやや尾側で上葉の中でも背側に位置します。S2は後上葉区とも呼ばれます。ですので、肺区域体操でS2をイラストするとこのようになります。

bronchus taisou2

先ほどS1で上にあげた手を少し後ろに下げます。CT画像で見ても上葉の中でもS2の解剖は背側に位置しているのがわかりますね。

S2 of lung CT

S3

続いてS3です。これは左右とも存在し、左右ともに

  • S3:前上葉区

とも呼ばれます。つまり、上葉の中でも前の方に存在するということです。ですので、肺区域体操でS3をイラストするとこのようになります。

bronchus taisou3

先ほど、S2で後ろに下げた両手を前に出します。

胸部CT画像でS3の解剖図を見るとこのように、上葉の前の方に位置するのがよくわかりますね。

S3 of lung CT

ちょっと先の話になりますが、このレベルから、下葉は見え始めます。下葉はS6を頂点としますので、まずはS6から見えることになります。

S6 of lung CT

S4

続いてS4です。S4は右肺では中葉に存在します。左肺は中葉は存在せず、S4は上葉に存在しますが、S4,S5の位置を特に舌区と言います。

  • 右S4:外側中葉区
  • 左S4:上舌区

とも言われます。

つまり、右のS4は中葉の外側に位置し、左のS4は舌区の上側に位置するということです。少しややこしいですね。ただし、下のイラストを見るとその点はわかりやすいと思います。

S4,S5を見ると

  • 右では内側・外側
  • 左では上側・下側

で分かれているのがよくわかります。

a lobe of the lung4

肺区域体操でS4をイラストするとこのようになります。右は外、左は上。これをイメージしましょう。

bronchus taisou4

胸部CT画像でS4の解剖図を見るとこのように、左の舌区のまず上の方にS4が出てきます。

S4 of lung CT

これを下方に行くと、右肺の中葉にも外側にS4が出現してきます。

S4 of lung CT1

S5

続いてS5です。S5はS4と同様に、右肺では中葉に存在します。左肺は中葉は存在せず、S5は上葉に存在しますが、S4,S5の位置を特に舌区と言います。

  • 右S5:内側中葉区
  • 左S4:下舌区

とも言われます。

つまり、S4と同じ要領で、右のS5は中葉の外側に位置し、左のS5は舌区の下側に位置するということです。イメージとしては、中葉及び舌区の内側と覚えましょう。

ですので、肺区域体操でS5をイラストするとこのようになります。右は内、左も内(下)。これをイメージしましょう。
bronchus taisou5

胸部CTでS5の解剖図を見るとこのように、右でも左でも内にあるのがわかりますね。

S5 of lung CT

ここまでで、上葉及び中葉、舌区は終わりです。続いて下葉です。

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S6

S6は上葉のところでも出てきましたが、上から見ていくと早い段階で出現します。下葉の頂上にあるイメージです。下の肺を後ろから見たシェーマを見ればわかるように、後ろでは下葉はかなり上にもあることがわかります。

a lobe of the lung6

上のシェーマを見ればわかるように、下葉の頂上というのは下葉の中でも内側にあるのがわかりますね。ですので、S6を気管支体操でイラストすると、このようになります。

bronchus taisou6

そしてS6を胸部CT画像図で実際に見てみると、このようになります。

S6 of lung CT1

下葉の頂上で、かつ肺の内側にあるのはイメージできますね。

S7

続いてS7です。左肺にはS7は存在しませんでしたね。右肺のみに存在します。右のS7は

  • S7:内側肺底区

と言われており、肺の本当に内側に存在します。ですので、S7を気管支体操でイラストすると次のようになります。

bronchus taisou7

左は存在しないのでそのまま。右手は内に。というイメージです。

そしてこのS7を実際の胸部CT画像で見てみると、

S7 of lung CT

確かに内側に存在していますね。

S8-10

S8-10はまとめていきますね。S8-10は左右ともに

  • S8:前肺底区
  • S9:外側肺底区
  • S10:後肺底区

とも呼ばれています。つまり、肺の底の前がS8、横がS9、後がS10ということです。前から徐々に後ろに行くということです。ですので、このS8-10を気管支体操でイラストすると次のようになります。

bronchus taisou8-10

徐々に後ろに手を持ってきているのがわかりますよね。では、実際のCT画像でS8,S9,S10を順番に見ていきましょう。

S8 of lung CT

S9 of lung CT

S10 of lung CT

徐々に後ろに来て肺の底部で一番後ろにS10が存在していますね。

今回の気管支体操(ブロンコ体操)のシェーマはデザイナーにお願いしました。pdfでダウンロードできるようにしましたので、こちらからどうぞ。→気管支体操(ブロンコ体操)で肺区域の解剖を理解するイラストpdfをダウンロード。

動画でもこの気管支体操をチェックしてみてください。

ちなみに今回のCT画像は、胸部CT画像診断ツールの画像を用いています。コロコロと実際のCT画像をスクロールしながら解剖を学ぶことができるツールです。

胸部レントゲンの解剖が学べる画像診断ツール→胸部レントゲン読影の決定版!正常画像の解剖を押さえよう。

まとめ

CTで肺の区域を理解できましたでしょうか?この気管支体操(ブロンコ体操)をテンポよく頭の中で行うことにより、病変のある部位が肺の区域のどこに相当するのかをパッとわかるようになります。

まずは、実際に体を動かしてみて、体で肺の区域を覚えましょう。

 

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