結核はMycobacterium tuberculosisによる感染症で、飛沫咳(空気)感染をします。

肺結核は1999年以降は年々減少していますが、近年その減少カーブは鈍化しています。2013年では人口10万人に対して16人の人が結核にかかっており、欧米の実に4倍以上の罹患率と多いのが日本の結核の特徴です。

今回は結核の症状から、診断方法、画像診断の特徴までまとめました。

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肺結核の症状は?

肺結核の症状にはどのようなものがありますか?
医師
以下のような非特異的な症状です。

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  • 全身症状(微熱、全身倦怠感など)
  • 呼吸器症状(咳嗽・喀痰・血痰など)
  • 無症状のこともある。

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二次結核とは?

二次結核という言葉を聞くことがありますが、2次ってどういうことですか?
医師
肺結核症には2種類あります。
  • 一次結核
  • 二次結核

一次結核

一つは、初感染時に発症する一次結核です。結核にかかっている人からの塗抹に含まれる結核菌を吸入し呼吸細気管支〜肺胞へ結核菌が入り込むことにより感染が成立します。

どんな人が初感染で発症しますか?
医師
一次結核として発症する場合は以下の場合です。
  • 感染した結核菌の量が多い時。
  • 免疫能が低下している人。
  • 小児(ただし減少傾向)

これらの人は、初感染でいきなり結核を発症するリスクがあり、1年以内に5%程度で発症すると言われています。

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二次結核

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ところが多くの人は免疫能は落ちておらず、結核に感染しても発症せずに潜伏します。

そして、

  • 感染した人が弱った時(免疫能の低下時)
  • 免疫能が落ちていない状態であっても、新たに結核菌を吸入した時

に発症することがあり、これを二次結核と言います。

そして一次結核よりも多いのはこの二次結核なのです。結核に感染して潜在的に潜伏した5%の人に生じるとされます。

医師
結局、一次結核も二次結核も免疫能が落ちた時に発症しやすいということです。

肺結核の検査は?診断は?

肺結核の診断はどのように行うのでしょうか?
医師
まずは症状や画像検査で結核を疑うことから始まります。

結核を疑うことができれば、その後、喀痰検査で抗酸菌を検出することが診断する上で最も重要です。喀痰検査には、

  • 塗抹検査
  • 培養検査
  • 核酸増殖法(PCR)

などがありますが塗抹検査での抗酸菌の陽性率は高くないため、通常は3日連続で喀痰を検査します。

喀痰の採取が難しい時などは、胃液や気管支洗浄液を採取することもあります。

抗酸菌=結核のことですか?
医師
いいえ、違います。

抗酸菌には結核菌と、非結核性抗酸菌(いわゆるMAC症)があります。塗抹検査で陽性になっても25%程度に非結核性抗酸菌であるため、菌種を同定する必要があります。これに核酸増殖法(PCR)が用いられます。

QTFとは?

ツベルクリン反応に代わる結核感染を補助的に診断する検査として普及しているのがQFT(クオンティフェロン:QuantiFERON®TB-2G)です。

BCGや非結核性抗酸菌の感染の影響を受けずにINF-γを測定し結核感染を診断する方法で、高い感度および特異度を示します。

ただし、結核の既往と最近感染したの結核との区別がつかないことや免疫機能低下状態では結核であっても陽性にならないことがありあくまで補助的として使うことが重要です。

肺結核の好発部位は?

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肺結核(二次結核)の好発部位は以下の通りです。

  • 上葉S1(右葉)
  • 上葉S2(右葉)
  • 上葉S1+2(左葉)
  • 下葉S6

つまり、上葉の上の方、下葉の上の方に発症しやすいということです。ただし、感染者の免疫能などにより、様々な部位に発症しうるので注意が必要です。

どうして肺葉の上の方に多いのでしょうか?
医師
結核菌が好む環境だからと言われています。

肺の上の方は、

  • 酸素分圧が高い。
  • リンパによるクリアランスが悪い。

という特徴があり、偏性好気性菌である結核菌が増殖しやすい環境であるからです。

関連記事)肺葉及び肺区域の解剖は?胸部CTやレントゲン読影の基礎! 

肺外結核とは?

結核は肺以外で病巣を作ることはありますか?
医師
肺以外に結核菌が移動して病巣を作ることがあり、肺外結核と言います。

肺外結核は結核症の10-20%に起こり、

  • 血行性散布(粟粒結核)
  • 胸膜
  • リンパ節
  • 脳・髄膜
  • 腸管
  • 尿路

などに病巣を形成します。

肺結核のCT画像の特徴は?

気道を埋めるように進展し、終末細気管支よりも末梢である呼吸細気管支や肺胞が乾酪性肉芽腫によって充填されます。

tuberculosis

tree-in-bud appearance

そして境界明瞭で高コントラストの粒の小さな病変をつくります。気道を埋める様子と粒の様子を、小葉中心性病変(細葉性病変)といい、その分布の様子をtree-in-bud appearance(木の芽様の分枝状影)と表現します。これらは結核の活動性のとして重要な指標と言われています。

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このtree-in-bud appearanceは結核に特徴的な所見ではなく、気管支肺炎や細気管支炎で見られる所見ですが、この粒が小さくて明瞭であるのが結核の特徴です。これは肉芽腫が充実性であり、周囲の肺に炎症波及をしないためと言われています。もちろん典型例ばかりではありませんが。

症例 50歳代男性

tubeculosis1

【CT所見】左下葉S6に一部tree-in-bud apparanceあり。所見は弱いところで探しましょう。この画像をスクロールしてみてみる→肺結核のCT画像所見
医師
例外もありますが粒が細かいのが結核の特徴の一つです。

空洞性病変

より広範にこの変化が生じ、乾酪性肉芽腫に凝固壊死が起こると、中心部が排出され空洞を形成することがあります。空洞ができれば空気が増えるので結核菌はそこで増殖し、結核菌を散布する原因となります。

空洞のサイズが大きく、壁が厚いほど排菌のリスクが高くなると報告されています。(J Thoracic Imaging 22:154-159,2007)。空洞の中に液面形成が見られた場合は細菌感染の合併を考えます。

症例 30歳代女性

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【CT所見】左下葉S6に空洞性病変(実は右にさらに大きな空洞があるのですが・・・。)あり。多発小結節あり。この実際のCT画像をスクロールしてみてみる。→粟粒結核及び空洞性病変を伴う活動性肺結核のCT画像所見

非典型的な画像を示す場合は?

免疫状態が低下している場合、特に

  • 糖尿病
  • 腎不全・透析
  • AIDS
  • 低栄養
  • アルコール多飲
  • ステロイド使用
  • 抗がん剤
  • 生物学的製剤(TNF-α阻害薬など)

などの場合、通常の特徴的な画像を示さないことがあります。る単なる肺炎として扱われ、一般病棟に入院をすると結核菌をばらまくリスクが生じるため注意が必要です。

また一次結核の場合は、

  • 結核性リンパ節炎
  • 結核性胸膜炎
  • 粟粒結核

を来たしやすいとされます。肺病変は他の肺炎と鑑別が困難な陰影を示すことが多いとされます。

肺結核のCT画像を集めた記事はこちら→【保存版】肺結核のCT画像7選!特徴的な所見はこれ!

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最後に

結核の症状から、診断方法、画像診断の特徴についてみていきました。結核診断の第一歩はまずは疑うことです。特に臨床症状や特徴的なCT所見をまずは覚えておき、

「ん?いつもの肺炎とは違うぞ」

「結核ぽいな」

と思えることが重要です。もちろん典型的な場合ばかりじゃない点も覚えておきましょう。

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