Pulmonary edema and heart failure

肺水腫の胸部レントゲン画像やCT画像所見については、肺炎などの他疾患との鑑別が難しいことが臨床の現場では多々あります。

  • 肺炎か?
  • 心不全か?

しばしば鑑別できないこともありますし、併発していることもあります。そこで今回は特徴的な肺水腫の画像所見をおさらいして、少しでもこれらを鑑別ができるようなり、診断に近づけるようにしていきましょう。

Sponsored Link

肺水腫の胸部レントゲン、CT画像所見は?

医師
まず、肺水腫が起こった時に胸部レントゲンや胸部CTではどのような画像所見を呈するのかをチェックしましょう。

肺水腫の場合、画像による変化では主に以下のことが起こります。

  • 心拡大
  • 肺血流の再分布
  • 間質性肺水腫
  • 肺胞性肺水腫

の4つです。これらは同時に見られることもありますし、原因などによりどれか一つしか見られない場合もあります。

Sponsored Link

心拡大

まず、心原性の場合、心拡大(左房、左室)をきたすことがあります。

cardiomegaly

肺血流の再分布

また、肺血流の再分布が起こり、

  • 上肺野の血管陰影が増強、上肺野=下肺野、上肺野>下肺野となる。
  • CTでは、左房圧上昇による肺静脈の拡張を認める。

pulmonary edema7

間質性肺水腫

また、間質性肺水腫(PAWP  15-25mmHg)の所見としては、

  • 小葉間隔壁肥厚→レントゲンではKerley’s line
  • 胸膜肥厚→胸膜下水腫
  • 気管支周囲間質肥厚→レントゲンではperibronchial cuffing
  • 葉間胸水→レントゲンではvanishing tumor

が挙げられます。いわゆる広義間質が肥厚する所見がみられます。

pulmonary edema

胸部CTでも特に薄いスライス(thin slice)で見ると

  • 肺静脈の拡張
  • 気管支周囲間質肥厚
  • 小葉間隔壁の肥厚

と言った構造までもよく見えます。

最新のCT装置では非常に細かい構造まで見えるんですね。
この症例をCT画像でチェックする→心不全による肺水腫のCT画像

pulmonary edema8

major fissure沿いに葉間胸水を両側に認めています。

この症例のCT画像を実際に見てみる。→心原性肺水腫のCT画像

 

肺胞性肺水腫

さらに、肺胞性肺水腫(PAWP 25mmHg以上)となると

  • 蝶形陰影(butterfly shadow):肺門部に認めるコンソリデーション
  • 中枢側優位にすりガラス影やコンソリデーション

が見られるようになります。

pulmonary edema6

この症例では、すりガラス影〜浸潤影が出現しており、間質性肺水腫→肺胞性肺水腫へと移行していることがわかります。

この症例のCT画像を実際に見てみる。→心原性肺水腫のCT画像

pulmonary edema9

両側広範に浸潤影を認めています。ただし、分布は中枢側に優位で末梢はspareされていることがわかります。

この症例のCT画像を実際に見てみる。→過剰補液による肺水腫のCT画像

関連記事)肺水腫の原因、症状から診断までまとめ

最後に

ややこしい肺水腫の画像ですが、肺に水があふれるとどのような所見を示すのかをあらかじめ知っておくことで、

「これは左右対称であり、分布などから肺水腫、肺うっ血ぽい」

「これは偏在性であり、陰影の特徴から肺炎ぽい」

というよりどちらに近い陰影であるかを予想することができるようになります。ぜひ参考にしてください。ただし、あくまで症状などありきで画像であり、もちろん画像のみで判断してはNGです。

肺水腫の画像10選をまとめました。目に焼き付けてください。
【保存版】肺水腫のCT画像10選!心不全が原因として最多。

心不全と肺炎の鑑別のポイント

心不全と肺炎は症状もレントゲンやCT所見が非常に似ることがあります。両者の鑑別に有用なのは喀痰などのグラム染色であると言われています。

また症状や、心音、頸静脈怒張、下腿浮腫、BNP高値などで心不全を疑い診断することは可能ですが、それは肺炎の合併を否定することになりません。肺炎と心不全はしばしば合併します。

肺炎の有無をチェックするにはやはりグラム染色が重要だということです。

Sponsored Link

 

関連記事はこちら