鼻詰まりや鼻水が長期的に続き、苦しく頭痛を伴う場合もある副鼻腔炎。いざなった場合、どんな治療があるのか気になりますよね。
私も、小学生の頃から副鼻腔炎(当時は蓄膿症)と言われ、治療をしてきました。もう、鼻水鼻づまりの他、頭が痛いだけでなく、顔も痛く、頻繁に通院しなくてはならず、待ち長い耳鼻科は本当に大変だった思い出があります。また、友達のお母さんが顔をベロっとめくる手術をしたと聞き、恐怖でもありました。しかし、20年以上経過し、治療法も今は進化しています。
今回は、副鼻腔炎の治療についてご説明し、昔とは違い進化した手術方法や、手術でも治らない場合、その他の副鼻腔炎。またうちの父も大変な副鼻腔炎を経験しましたので、そのことをお話したいと思います。
目次
副鼻腔炎の治療法とは?
薬物療法
マクロライド系の抗生物質を使って治療します。また、いきなり治そうというのではなく、これを少量ずつ長期的(1~3か月)に飲む場合もあります。
また、この他、鼻の通りをよくする処置として、副鼻腔洗浄をし、鼻の通りを確保した後、ネブライザー療法といって、薬を蒸気にしたものを置くまで届ける吸入を行います。このネブライザーは、耳鼻科の治療後に吸入をして帰る際などに、よく使用されるお薬です。
私は、この副鼻腔洗浄を小学生の頃にやったんですが、当時は麻酔もなく、針で鼻の中に小さな穴を開け、液体を流し込み洗浄し、中の膿を出すというもので、ものすごく痛く、苦しく、最後は気絶してしまったんですが・・・最近この同じ副鼻腔洗浄をした父は、麻酔を使われていたので痛くもなく、洗浄後は頭がスッキリとしたと言っていました。
手術療法
薬物療法をしても治らなかった場合に行うもので、内視鏡下鼻副鼻腔手術という方法で行われます。昔は顔の皮膚をめくり行う手術で、術後顔の変形が起こる場合もありましたが、最近では内視鏡が一般的です。ポーリープなどがあった場合、削りながら吸い取る方法で副鼻腔炎の80~90%の人に有効的です。
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手術で治らない副鼻腔炎ってあるの?
手術をしても治らない原因の一つとして考えられるのが、「好酸球性副鼻腔炎」です。
好酸球性副鼻腔炎
原因は不明ですが、多発性ポリープがあり、早期から臭いを感じなくなり、嗅覚障害を起こしているもので、鼻水も粘り気のあるもので取れにくく、鼻詰まりもひどく重症の副鼻腔炎になります。難病に指定されるもので、唯一経口ステロイドが有効とされていますが、完治は難しく、再発しやすいと言われています。
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他にも副鼻腔炎ってあるの?
歯からくる副鼻腔炎
歯性上顎洞炎といい、鼻の根元や歯の炎症が広がり、副鼻腔炎になるものですが、耳鼻科治療の他、歯科治療も必要となります。
カビからくる副鼻腔炎
副鼻腔真菌症というもので、カビによって起こる副鼻腔炎で、手術をしてカビの塊を取り除く場合もあります。
うちの父の場合の副鼻腔炎
うちの父は、健康診断で「肺に影がある」と言われ、医者から「これはほぼ間違いなく肺ガンです」とまで言われ、CTやPETまでやった結果、肺ガンではなく、カビからくる副鼻腔炎ということが1年以上かかり判明しました。
職場が変わり、職場のクーラーを誰も掃除したことがなく、クーラーの前の席にいた父がそのクーラーから出るカビを吸い、鼻詰まりや咳といった症状も慢性化していました。
たまたま、転院した大きな病院の医師が、そのような症例のある記事を見つけ、判明したんですが、鼻からの菌が肺にまでいっていたようで、結局副鼻腔洗浄を二度行い、薬物療法を用い、今では症状もなく、肺の影も消えました。
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最後に
- 副鼻腔炎の治療には、薬物療法と手術療法がある
- 薬物療法は、抗生物質を使用したり、副鼻腔洗浄をしたり、ネブライザーを吸入するといった方法がある
- 手術は昔とは違い、内視鏡下鼻副鼻腔手術が一般的
- 稀に、手術をしても治らない、難病に指定される好酸球性副鼻腔炎という場合もある
- 歯からくる歯性状顎洞炎という副鼻腔炎もある
- カビからくる副鼻腔真菌症という副鼻腔炎もある
まずは、副鼻腔炎にならないことが一番ですが、様々な要因がある慢性副鼻腔炎やインフルエンザなどの後になる急性副鼻腔炎は仕方ないにしても、歯性状顎洞炎は、歯の治療を早期に行う事で防げますし、副鼻腔真菌症は、日頃から掃除を心掛け、カビのない環境を作ることで防ぐことが出来ますので、出来ることから気を付けましょう。