うつ病の治療として抗うつ薬を使用するには、薬の特徴や治療期間などを正しく理解しておくことが大切です。

しかし、抗うつ薬とはそもそもどのような薬なのでしょうか?副作用は?また、使用する際に注意する事はあるのでしょうか?

今回は、うつ病治療の一つとして、抗うつ薬についてまとめました。

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うつ病の治療の種類は?

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うつ状態を発症し、それが放置しておけば回復しない状態、あるいは危険な状態の場合、または時間を要するようであれば、治療する必要があります。

医師
うつ病の治療の種類には、以下の方法があります。

神経の力を強める方法

  • 薬物療法
  • 運動療法
  • 磁気刺激療法
  • 光療法など

神経の負担を軽減する方法

  • 休息
  • 対人関係療法
  • 認知行動療法
  • ヨガなど

 

今回は、この中から薬物療法を取り上げ詳しく説明していきます。

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うつ病の薬物治療 抗うつ薬とは?副作用は?

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うつ病が発症する原因の一つに、脳内神経伝達物質の機能異常があり、これは、神経伝達物質であるモノアミンの機能が低下し、情報を受け取る側の受容体の異常などにより、情報伝達に障害が起こり発病すると考えられています。

そこで、脳内の情報伝達機能を正常な働きに戻すために使用されるのが抗うつ薬です。

これらの抗うつ薬を服用することで、以下の症状が改善されます。

  • 食欲の不振や睡眠障害
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 耳鳴、めまい、立ち眩み
  • 身体各部の痛みなどの自律神経失調症状や日内変動など

その一方で、抗うつ薬を使用することで脳内のターゲットとする神経伝達系だけではない、他の神経系に作用してしまうため、副作用があります。

医師
代表的な副作用は以下の通りです。

 

  • 口が渇く
  • 便秘・排尿障害
  • 眠気
  • 胃腸障害
  • 頭痛
  • 動悸など

 

その他、抗うつ薬の投与初期や増量時には、不安や焦燥、衝動性が高まることがあり、投与量や年齢、性別、健康状態、薬物の代謝機能、他の精神疾患の有無などが複雑に影響するため、個人差があり、稀に重篤な副作用が現れることもあります。

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抗うつ薬を使用する際の注意は?

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抗うつ薬を使用する際に注意する事はありますか?
医師
注意する点はいくつかありますので、以下を参考にして下さい。

 

  • 初期量と治療量が別々に設定されているので、それを必ず守ること。
  • 薬剤ごとに増量スケジュールを加味して治療計画を立てること。
  • 決められた期間は服用を続け、自己判断で使用を中止しないこと。
  • 併用薬に注意し、他の薬剤の血中濃度が上がってないかに注意すること。

 

関連記事)うつ病の診断は?症状は?原因は?

抗うつ薬はどう使うの?

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うつ病の薬物治療には3段階あります。

医師
その段階について以下にご説明します。
  1. 急性期:うつ症状が消えるまでの期間
  2. 継続期:急性期の後の半年~1年
  3. 維持期:継続期の後の長期治療期間

 

急性期

抗うつ薬は徐々に増やすことで、消化器症状(下痢や吐き気)を主とした副作用を防ぐことになります。
大切なのは、使用している抗うつ薬が効いているのかを見極める事で、効いていればそれを十分に使用することです。

継続期

十分な量の薬を十分な期間使用し続けることが大切です。

症状が消えてから脳が治るまで、継続期治療を半年から1年続けることは重要で、薬の使用を急に中止すると悪化する恐れがあります。

また、この時期に薬を減らす事で再発する可能性が高くなりますので、症状が消えた後も同量の抗うつ薬を数ヶ月継続するようにし、自己判断で勝手に治療をやめない様にして下さい。

うつ病患者の半分は再発を繰り返す可能性があるので、長期的に薬を使用して行く事が大切です。

さらに、うつ病の治療で重要な事は、その症状ではなくうつ病自体を治療する事です。
精神的に不安感が強いために抗不安薬を使用したり、不眠のために睡眠薬を使用するのではなく、抗うつ薬で本質的な治療効果を得る事が大切です。

関連記事)うつ病発症のメカニズム 3つの仮説とは?

 

軽症のうつ病にも抗うつ薬を使うべきなの?

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軽症例への抗うつ薬の有用性は確定されていません。

医師
その理由として、以下の2つが挙がります。

抗うつ薬は有害無益の可能性がある

  • 脳の変化を伴わない抑うつかもしれない可能性。
  • 抑うつによる問題が小さければ薬による副作用のほうが大きくなるかもしれない可能性。

 

抗うつ薬は有用な可能性がある

  • 軽症でも脳の変化を伴うかもしれない可能性。
  • 軽症でも持続すれば悪い影響を与える可能性。

 

以上の様な理由から、薬の効果が得られる可能性副作用が生じる可能性などを医師と十分に話し合う事が必要となります。

また、軽いうつ病だからと薬の使用量を少なくするのではなく、抗うつ薬で治療するのであれば、十分な薬の量を十分な期間使用し続けることが大切です。

 

まとめ

  • うつ病の治療には、神経の力を強める方法神経の負担を軽減する方法がある。
  • 抗うつ薬は、脳内の情報伝達機能を正常な働きに戻すために使用される薬剤である。
  • 抗うつ薬の副作用には、喉の渇きや便秘・排尿障害、眠気、胃腸障害などがある。
  • うつ病の薬物治療には、急性期・継続期・維持期の3段階がある。
  • うつ病の治療で重要な事は、その症状ではなくうつ病自体を治療する事である。
  • 軽症例への抗うつ薬の有用性は確定されていないので、医師と十分に話し合う事が必要となる。

 

抗うつ薬を使用していくのなら、継続して使用して行く事が大切なのですね。大変参考になりました。

 

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