うつ病の原因の一つとして脳内の変化がありますが、これは感情に影響を与える神経や物質の脳内バランスが保てなくなる状態です。

それでは、うつ病の時に患者の脳内ではどんな変化が起きているのでしょうか?

この脳内変化のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、現時点でわかっているうつ病発症のメカニズムにおいての3つの仮説についてご紹介します。

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うつ病発症のメカニズム 3つの仮説とは?

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3つの仮説とはどのようなものですか?
医師
3つの仮説は以下の通りです。
  1. モノアミン仮説:モノアミン神経系の機能不全
  2. BDNF仮説:脳由来神経栄養素(BDNF)の減少で海馬が萎縮
  3. 視床下部・下垂体・副腎系(HPA系)仮説:HPA系亢進でコルチゾールが過剰に持続

次に、一つ一つを詳しく説明して行きます。

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モノアミン仮説とは?

うつ病の発症する原因として、1950年代頃から「モノアミン仮説」という説が唱えられてきました。

脳は膨大な神経細胞からなっていますが、その中で、膨大な情報を伝達しているのが神経伝達物質となり、脳内物質脳内ホルモンと呼ばれています。

この脳内物質のうち、特に心の情動に重要な働きをする、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの総称をモノアミンと言います
うつ病はこのモノアミンの低下が起因しているという学説が「モノアミン仮説」です。

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BDNF仮説とは?

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この仮説は、従来のうつ病患者の特徴である、「セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの分泌量が減る」といったことに加え、「BDNFというたんぱく質が減っている」ということに目を付けた新しい仮説です。

脳内には、感情や記憶をつかさどる海馬という部分がありますが、うつ病患者は、この海馬が萎縮し、神経細胞が減っていることが明らかになりました

これまで脳の神経回路は再生しない、という考え方でしたが、少なくとも海馬の神経細胞については再生し、その機能も再構築されることが分かっています

この神経細胞の再生は、やや特殊な環境下でないと実現しませんが、かなりのダメージをけた神経細胞でもある種の物質の助けを借りて、そのダメージを修復することが出来ます。

この修復の働きを担っているのが、BDNF(神経栄養因子)と呼ばれる物質です

うつ病患者は、海馬の細胞の新生にかかわるBDNFというたんぱく質が減っているため、抗うつ薬でセロトニンやノルアドレナリンを増やすことにより BDNFの分泌が増え、結果的に、ダメージを受けた海馬の修復につながり、うつ病などの精神疾患に、大きな影響を与えていると考えられています。

 

視床下部・下垂体・副腎系(HPA系)仮説とは?

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うつ病ではコルチゾールが持続的に高値になっていると言われており、これがうつ状態に関係しており、海馬や前頭葉の機能にも影響を与えると考える仮説です。

コルチゾールとは、副腎皮質から分泌されるストレスホルモンのことで、ステロイドホルモンとも呼ばれています。

脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンの指令を受けてから分泌され、緩やかで慢性的なストレス反応を引き起こします。この状態がいつまでも続くと、健康を害することになるので注意が必要です。

 

医師
以上の3つの仮説は相互に関連しあっていると考えられています。

 

まとめ

  • うつ病発症のメカニズムには、モノアミン仮説BDNF仮説視床下部・下垂体・副腎系(HPA系)仮説の3つがある。
  • セロトニンノルアドレナリンドーパミンなどの総称をモノアミンと言う。
  • うつ病はこのモノアミンの低下が起因しているという学説がモノアミン仮説。
  • BDNF仮説とは、BDNF(脳由来神経栄養素)が減っているということに目を付けた新しい仮説。
  • 視床下部・下垂体・副腎系(HPA系)仮説とは、コルチゾールが持続的に高値になっており、これが海馬や前頭葉に影響を与えていると言う仮説。
  • 3つの仮説は相互に関連しあっていると考えられている。

 

うつ病発症のメカニズムが理解できました。難しいことですが、病気の治療に際して、知っておくべきことだと思いました。参考になりました。

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