乳癌治療といえば思い浮かべるのが、ドラマや映画で見たあの、手術後、抜け毛や吐き気、痛みに苦しむ姿ですが・・・
医療は色々進化しているのに、癌治療は今もそんなに苦しまなくてはいけないのでしょうか?
また、乳癌治療で一番辛いのは患者本人ですが、家族が出来ること、してあげられることってないのでしょうか?
今回は、癌治療の歴史を振り返りつつ、最新の治療法と、再発予防に自分や家族の出来ることをご紹介したいと思います。
目次
乳癌の歴史、進化し続ける治療法!1960年から最新まで
1960年~
乳癌患者は1万人より少ないとされ、実際にはもっといたのかもしれませんが、乳癌は恥ずかしい病気とされ、隠す傾向がありました。
また、乳がんは局所病とされていて、おっぱいさえ取ってしまえば治ると考えられていました。
1970年~
この頃も、乳癌はどんなに小さな腫瘍でも、徹底的に取れば治るとされ、乳房切除、大胸筋、小胸筋、腋窩にリンパ節、癌腫瘍周辺の筋肉まで全てごっそり切除されていました。
1980年~
乳癌患者は1万5千人程と徐々に増えてきます。
乳癌は全身病であると受け入れられてきました。(フィッシャー理論)
また、ホルモン療法(TAM)や化学療法(多剤併用、CAF療法)が再発治療として使われるようになりました。
しかし、この頃もまだ全部取る、または場合によって筋肉は残すという方法がとられ、術後患者全員にホルモン療法をとるとされてきました。
1990年~
乳癌患者は2万5千人に増え、新規化学療法剤(タキサン)が開発されました。
またCMF、CAF療法が術後の化学療法として一般化され、抗がん剤の時代と言われます。
また、乳房を残す、乳房温存術が行われるようになったものの、リンパ節ごとごっそり取っていました。
2000年~
患者は3万5千人に増え、この頃から厚生労働省の定める乳癌検診が始まり、40歳以上のマンモグラフィ検診行われるようになりました。
また、ホルモン剤の開発も進み、(アロマターゼ阻害剤)や分子標的薬(ハーセプチン)の開発がされ、タキサン療法が術後の化学療法になってきました。
またこの頃になると、リンパ節は一部だけ切除したり、副作用対策を重視するようになりました。
そして現在、 最新の治療法とは
乳癌検診が一般化されたことにより、乳癌患者が8万人を超え、一気に増えました。
また、乳癌は全身病でもあり、局所病でもあり、スペクトラム理論が考えられるようになりました。
乳癌は、乳癌タイプにより治療反応性が大事とされ、新規薬剤もどんどん開発されています。
温存手術が内視鏡手術で行われるようになり、センチネルリンパ節生検、乳房再建、術後乳癌のタイプに報じてホルモン療法、または化学療法、または分子的療法と選べるようになり、どんどん乳癌医療は進化し続けています。
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再発予防に自分でできることから始めよう
肥満になりすぎない
肥満は、閉経後の女性の場合乳癌リスクを確実に高めると言われています。なので、逆に肥満にならないよう気をつけるとリスクも減るというわけです。
アルコールを取りすぎない
アルコールと乳癌の関係も指摘されています。アルコールは控えめにしましょう。
大豆製品やイソフラボンを摂取する
大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンによく似た働きをすると言われていることから、大豆製品を日頃から食事の中で摂取するようにしましょう。
禁煙
煙草は乳癌だけでなく、色々な生活習慣病の発症のリスクを高めるのは確実です。また、近くで人が吸った副流煙もその影響が指摘されています。自らが禁煙することはもちろん、一緒に暮らす家族の配慮も大切です。
体を冷やさない
体温が1度下がると、免疫が10%落ちると言われています。体温を下げないよう、手足やお腹、首など冷やさないようにしましょう。
関連記事)乳癌が遺伝する確率は?遺伝子検査とは?
乳癌手術後、患者を支える家族が出来ること
- 普通に接する
- 笑顔でいる
- 強制しない
乳癌患者だからといって特別扱いされることを嫌う人が多くいます。いつも通りでいいんです、普通に接して欲しい、腫れものにさわるように接しないでほしい、それは家族だけでなく、周りの友人、職場の人も同じことがいえると思います。
また、頑張ってる患者を笑顔で支えることは患者自身を元気づけることにつながります。笑顔は前向きになれるお薬です。
一番辛いのは患者自身です。辛い治療にも耐えなくてはいけません。強制せず、患者の気持ちを理解し、精神的負担をかけないようにしましょう。
関連記事)
最後に
- 乳癌患者は年々増加している
- 乳癌治療は進化し続けている
- 再発予防に食生活、生活習慣の改善を
- 患者の家族は笑顔で普通に接し、精神的負担をかけないようにする
いかがでしたでしょうか?日本は先進国なのに乳癌患者はどんどん増加しています。それには食生活や検診の有無も指摘されています。
厚生労働省の定める検診は2年に1回40歳以上となっていますが、若年患者が増えている事実もあります。
何歳になったらというのではなく、自ら検診に行き、日頃から食生活や生活習慣を見直しましょう。