妊娠中に、「咳が止まらない」、「胎児が大きくなり腰が痛い」などの理由から婦人科以外で診察を受ける事もあると思います。

その際、胸のレントゲンが必要となると、放射線による赤ちゃんへの影響が心配されますが、1回ぐらいなら問題ないとされています。もちろん、妊娠初期に胸のレントゲンの1万倍ぐらいの放射線を浴びると危険ですが・・・。

咳が止まらない場合、うがいぐすりを使用しても大丈夫でしょうか?腰の痛みを抑えるための湿布薬は?

また、授乳中に薬を飲むことでの赤ちゃんへの影響は?など、気になる事が多いものです。

そこで今回は、妊娠されている方、または授乳中の方でしたら気になる、それぞれの時期の薬の影響をまとめました。

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妊娠と薬、どんな影響があるの?

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病院において妊婦に薬を投与する際は、妊娠週数の確認がまず大切となっています。

受精後が2週間(妊娠4週)までの薬を含む外的因子は、流産の理由になるが胎児奇形の理由にはならない事が知られています。

それ以降に薬を使用する事で以下のリスクがあります。

受精後2週目~10週目ごろ(器官形成期)

器質的異常
  • 臓器の奇形
  • 形成不全など

それ以降

機能的異常
  • 精神発達遅滞
  • 高次脳機能障害
  • 胎児発育不全
  • 胎盤機能不全など

まとめると以下のようになります。

妊婦が薬を内服すると・・・
  • 妊娠4週まで:流産のリスクにはなれど、胎児奇形のリスクにはならない。
  • 妊娠4週以降:胎児奇形などのリスクがある。

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妊婦に安全な薬はある?

妊娠と薬の大原則:妊娠中に安全に安心と言える薬はほぼありません。

そもそも、何もしなくても自然奇形率は2~3%あり、薬を投与したからの奇形か、そうでないかは個々の患者さんを診ても判断できないのです。

妊婦が特に避けた方が良い薬は?

医師
妊婦は避けた方がよい日常的にある薬があります。
  • ポピドンヨードうがいぐすり:ヨードの過剰摂取による新生児一過性甲状腺機能低下症を引き起こすリスクがあります。
  • 湿布薬:湿布に含まれるケトプロフェンという成分が、胎児に影響することがあると言われています。中には妊婦でも使える湿布もありますので、必ず医師、または薬剤師に相談の上購入するようにして下さい。

 

また病院でもらう可能性があったりする薬のうち、奇形が起こることがほぼ確実と言われる薬剤は以下の通りです。これらの薬は絶対に用いてはいけません。

  • 睡眠・鎮静薬であるベンゾジアゼピン系、フェノバルビタール、抗鬱薬の炭酸リチウム。
  • 抗てんかん薬のエトトイン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム
  • 抗凝固薬のワーファリン
  • 抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)
  • 男性ホルモン剤、卵胞ホルモン剤、黄体ホルモン剤
  • 抗マラリア薬のキニーネ
  • 抗生物質であるテトラサイクリン系、クロラムフェニコール系、アミノグリコシド系。
  • 有機水銀
  • 放射性薬剤

 

関連記事)婦人科検診とは?料金は?痛いの?

妊婦に比較的用いられることが多い薬は?

前述のように安全だと言い切れる薬はありませんが、比較的よく使われる薬は以下の通りです。基本的にリスクを考えても投薬のメリットが上回ると考えられる場合に使われます。

解熱薬

  • アセトアミノフェン
  • アスピリン
  • 塩酸チアラミド

抗生物質

  • ペニシリン系
  • セフェム系
  • マクロライド系

鎮咳薬、去痰薬

  • デキストロメトルファン(メジコン®)
  • ブロムヘキシン(ビソルボン®)

降圧薬

  • メチルドパ
  • 塩酸ヒドララジン

気管支拡張薬

  • テオフィリン

 

授乳と薬、どんな影響があるの?

医師
妊娠と薬」授乳と薬」を一緒に考えない事は大切です。
授乳と薬の大原則
  • ほとんどの薬は母乳に移行する。
  • 赤ちゃんは体外に排泄できるためあまり影響しない

 

ほとんどの薬の添付文書には、薬が母乳に移行することが確認されたら以下のように書かれています。

  • 授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避ける事。
  • 授乳中の婦人に投与する事をさけ、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させる事。

実際、ほとんどの薬は母乳に移行します。

ですから、感覚的に少しでも赤ちゃんに薬が行くのを避けたい場合、

  • 薬を飲まない。
  • 母乳を止めて人工乳にする。

のが原則です。

しかし、実際は、多くのタイプの薬が授乳中に服用しても赤ちゃんへの影響はほとんどないのです。

関連記事)妊娠したら腹部エコーはいつから? 経膣エコーとの違いは?

なぜ赤ちゃんへの影響はほとんどないの?

授乳中の薬、赤ちゃんへの影響はなぜほとんどないのですか?
医師
赤ちゃんには排泄機能があるからです。

乳児の体に入る薬の血中濃度は、

  1. 体に入ってきた量:母乳にどれだけの濃さで入ったか、どれだけの母乳を飲んだか
  2. 体から出て行く量:肝代謝=解毒、腎代謝=排泄

この2つによって決まります。

正常な赤ちゃんには排泄機能があるので、母乳にある程度の薬剤が移行したとしても乳児の薬剤血中濃度は無視で出来るほど小さくなる事が多いのです。

医師
肝機能障害や腎機能障害がない限り、ほとんど無視できるのです。

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まとめ

  • 受精が2週間(妊娠4週)までの外的因子は、流産の理由になるが胎児奇形の理由にはならない。
  • 受精後2週目~10週目ごろ=器質的異常、それ以降=機能的異常のリスクがある。
  • 妊娠と薬の大原則は、安全と言える薬はほぼない
  • 特に妊婦に避けた方がよい薬:ポピドンヨードうがいぐすり湿布薬
  • 妊婦と授乳婦の薬の原則は全く異なるもの。
  • 授乳と薬の大原則は、①ほとんどの薬は母乳に移行するという事。②赤ちゃんは体外に排泄できるためあまり影響しない。
  • 母乳にある程度の薬剤が移行したとしても、乳児の薬剤血中濃度は無視で出来るほど小さくなる事が多い
薬が母乳に移行しても赤ちゃんへの影響は少ないと知り安心しました。ありがとうございました。

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