MRI and CT Eye-catching image

MRI検査とCT検査。この2つの検査は、なんとなく似たイメージがあるものの、その違いについてご存知でない方も多いのではないでしょうか。

どちらもトンネル型の機械の中に入って身体の断層を見る検査技術ではありますが、その原理はまったく異なるのです。

なんとなくMRIの方が精密検査ですごい!なんてイメージを持たれているかもしれません。MRIを撮影すればすべてわかると。MRIに勝る検査はないと。

実は、そうでもないんです。

確かに子宮・卵巣のようにMRIがCTよりも強い領域・部位もありますが、空間分解能、つまり、画像の解像度、細かいところの解剖の様子はCTの方が基本的に上です。

またCTは全身を短時間で撮影することもでき、交通事故で運ばれてきた患者さんに全身スクリーニングをする際には必ずCTがまず撮影されます。MRIを全身撮影していたら日が暮れます。

CTが強いところ、MRIが強いところ、またそれぞれ弱いところというのがあります。ここを誤って何でもMRIを撮影しようとすると診断できるものもできなくなったり、検査を受ける負担が増すばかりです。

そこで、このMRIとCTの違いを色々な角度から解説しましたので、参考にされて下さい。

Sponsored Link

MRIとCTの違いは?

 

一般女性 Aさん
MRIとCTの違いを教えて下さい。
女性医師
MRIとCTの違いは、その撮影技術にあります。それぞれの特徴を以下にご説明します。

MRI

MRIの特徴

MRIは、Magnetic Resonanse Imagingの略です。
MRIは、磁気を利用して、体内の水素原子の量と、水素原子の存在の仕方を画像化する検査法です。

カンカンカンと検査中にうるさいのがこのMRIですね。
MRIのメリット

脳や筋肉など水分の多い箇所の画像診断に適しており、放射線被曝の心配がないので妊婦や子ども、人間ドックの検査などでも安心して受けられます。

また、病気と正常組織とのコントラストがCTよりも明確であり、横断像のみでなく、縦や斜めからと任意の断面を得ることができます。
さらに、造影剤を使わなくても血流情報を得て血管の撮影を行うことも可能です。脳の血管を撮影する、脳血管MRAが有名です。

MRIのデメリット

一部を撮影するのに約30分程度の時間を要し、1回に検査できる範囲が狭く、骨の変化が分かりにくい点があります。

全身を撮影するのには向いていない検査です。

また、狭く大きな音のする空間に長時間いる必要があるため、ペースメーカーを埋め込まれている方や閉所恐怖症の方には不向きなど制限が多いです。

関連記事)MRIの原理を簡単にわかりやすく解説!

uterus

女性骨盤のMRI検査(T2強調像、矢状断像)

CTの特徴

一方、CTは、Computed Tomographyの略です。
X線検査の立体版となり、レントゲン照射したあとにコンピュータで計算して2次元画像を作り出し処理する方法です。

CTのメリット

骨など水分が少ない箇所の画像診断に有効で、検査台を動かしながら複数の検出器を用いて撮影できる装置(MDCT)ができ、検査に掛かる時間が短縮されました。

また被曝量も現在では随分低減されるようになりました。

lung CT emphysema

肺のCT画像(横断像、高度喫煙者)

CTのデメリット

放射線を使うため、多少なりとも被曝してしまう点があり、また、内臓の診断をする際などは、骨が一緒に写ってしまうため、見えない部分があったり、骨に囲まれている脳や骨盤内にはX線が届きにくいため、診断が困難となります。

さらに、内臓の検査においても病気によっては正常組織とのコントラストが少ないために、造影剤を使わないと診断が難しいです。
また空間分解能ではMRIに勝りますが、病変と正常組織の濃度の差 (コントラスト) ではMRIに劣ります

Sponsored Link

MRIとCT どうやって使い分けるの?

一般女性 Aさん
MRIとCTはどうやって使い分けるのでしょうか?
女性医師
MRIとCTはそもそも撮影技術や形式が違うものですので、病状や撮影する箇所、検査の目的などによってどちらを用いるかは医師により判断され、受診する側にどちらかの選択を迫られることはありません。

しかし、上記でお伝えしたようにペースメーカーが埋め込まれている人は、MRI検査ができない場合があり、また、妊娠されている方は放射能被曝の可能性があるCT検査は避けるためにも妊娠中であることを事前に医師に伝えることが重要です。

また、人間ドックや健診を受ける際は、健康への不安、既往歴などを医師に明確に伝えることも大切です。

MRI とCT それぞれが得意な病気のまとめ!!

woman (33)

一般女性
MRIとCT、それぞれの向いている分野を教えて下さい。

MRIは水分を多く含む臓器を映すのに向いていますが、骨や肺には向いていませんので、骨や肺を映す場合にはCTを使用します。
しかし、脳を映すためにCTを使用すると頭がい骨のためにはっきりと映らないので骨を映さないMRIが使われます。

また、MRIは脳梗塞や脳動脈瘤の検査に向いていますが、CTは脳出血や肺炎、骨折などの外傷に向いています

医師
以下にそれぞれの向いている分野をご紹介します。

MRIに向いているもの

  • 脳梗塞
  • 脳動脈瘤
  • 内臓(肝臓、胆嚢、膵臓など):CTと合わせて評価することが多い。
  • 子宮・卵巣
  • 前立腺
  • 血管
  • 軟骨
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 靭帯損傷
  • 骨軟部腫瘍など

このように、脳・内臓・生殖器・整形外科領域でMRIは強いと言えます。

CTに向いているもの

  • 肺炎
  • 肺癌
  • 胸水
  • 腸閉塞
  • 腹水
  • 胆石:ただしCTで映らないものもあり、MRIと合わせて評価することが多い。
  • 尿路結石など

このように、胸部(肺)、腸管、胸水、腹水、尿管結石などにCTは強いと言えます。

またMRIと異なり全身を一気に撮影できますし、空間分解能が高いので、スクリーニングを行う場合は、CTをまず撮影して、怪しいところ場合によっては(MRIが強い領域であるならば)MRIを撮影するという流れです。

逆に、まず全身のMRIを撮影して・・・・ということは通常は行いません。

医師
それぞれ向いている分野が違うため撮影する部位や症状によって使い分けてそれぞれを補っています。

人間ドックの検査項目から見るCT、MRI検査のそれぞれの強み!

人間ドックを受けると、施設にもよりますが、フルコースで受けるとCT、MRIについては概ね次の撮影がされます。

  • 頭:MRI
  • 頸部血管:MRA(MRIの血管撮影)
  • 胸部:CT
  • 腹部:CT
  • 骨盤生殖器:MRI
  • 椎体(主に頚椎、腰椎):MRI

これに加えて、頸部血管、腹部では超音波検査(エコー検査)がおこなわれます。

一般女性
これを見れば、どこでCT、MRIが強いのかわかりますね。
医師
そうですね、あくまで人間ドックの例なので、例外はありますが、胸部や腹部は基本的にCTがまず優れた検査ということがわかりますね。

関連記事)六本木ヒルズクリニックで人間ドック♪ランチの口コミや内容をご紹介!

MRIとCTの検査時間の違いは?

Sand .C

一般女性
MRIとCTの検査時間の違いを教えて下さい。
医師
それぞれの検査時間を以下にご紹介します。

 

MRI検査の時間

1種類の画像を撮影するのに数十秒から数分の時間を要し、全体の検査時間は最短でも約20分ほど、最長だと約1時間ほど要する場合もあります。

何種類もの画像を一度に検査して総合的に判断する事が可能ですが、逆を言えば何種類もの画像を撮影する必要があるため時間が掛かるのです。
また、CTは画像1枚1枚をその都度、撮影する方法ですが、MRIは原理上、1枚ずつ撮影することは不可能ですので、もし患者さんが動いてしまった場合には、1種類の画像全部がダメになってしまい、もう一度やり直す必要があります。

このようなことから、動きやすいお子さんや赤ちゃんには睡眠薬を使用し、さらにパニック状態に陥る可能性のある閉所恐怖症の方は検査を受ける事自体が難しくなる事もあります。

CT検査の時間

頭部の検査であれば約5分ほど、全身の検査でも約10分ほどの検査時間ですが、この時間の多くは、撮影寝台の移動や撮影位置の決定、造影剤の注射にかかる時間となり、実際に撮影のために要する時間は1~2分程度と大変短い時間です。

また、検査の最中に患者さんが動いてしまっても、画像がブレて観察しにくくなった箇所だけを撮影し直すことも可能です。

MRI とCTの費用の違いは?

Money (4)

一般女性
MRI とCTの費用の違いを教えて下さい。
医師
CTとMRI検査ではMRIの料金が高いことが一般的です。
ですが、CT装置の性能も診療報酬に含まれることもあり、実質の負担額の違いはそれ程大きいものではありません。

MRI検査料金

  • 単純MRI検査: 約26,000円(3割負担=約7,800円)
  • 造影MRI検査: 35,000円~42,000円 (3割負担=10,500円~12,600円)
  • 冠動脈MRI検査: 約30,000円(3割負担=約9,000円)

CT検査料金

  • 単純CT検査: 約20,000円(3割負担=約6,000円)
  • 造影CT検査: 約35,000円(3割負担=約10,000円)
  • 冠動脈CT検査: 約40,000円(3割負担=約13,000円)

 

心臓の検査をされる場合は、心電図を併用した特別な検査法になりますので、診療報酬の点数がさらに追加され、検査料金が高くなります。
また、人間ドックなどでMRI検査を受ける場合には約3万円程かかるようです。

関連記事)CT検査の費用は実際いくらかかる?撮影料以外にもかかるの?

最後に

医師
MRIとCTの違いなどを説明してきましたので、もし何らかの病気の疑いがある場合はご自分にはどちらの検査法が向いているのかお分かりいただけたと思います。

今回ご紹介した2つの検査の違いを予備知識として頭に入れ、医師の診断と判断を仰ぐようにしてください。その際、ご自分の中で疑問に思った点や不安な点を質問され、納得の上で検査に臨まれることが大切です。

CT、MRIは部位によっては得意不得意はそれぞれありますが、どちらが優れているということは一概にいうことはできず、相補的に用いるのが最も正しい使い方と言えます。

また、子宮・卵巣などの骨盤内臓器や肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓などの腹部臓器では、CT、MRIだけでなく、最も簡便で侵襲性の低いエコー検査(超音波検査)との相補的な評価も非常に重要です。

一般女性
MRIとCTの違いが分かりましたので、もし検査が必要となっても安心して検査に臨むことが出来そうです。役立つ情報を有難うございました。

Sponsored Link

 

関連記事はこちら