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小児の悪性脳腫瘍の代表といえば、髄芽腫(読み方は「ずいがしゅ」・英語表記では「Medulloblastoma」)が有名で、小児脳腫瘍の13%を占めると言われています。

今回はこの髄芽腫について

  • 症状
  • 診断
  • 治療法

をご説明します。

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髄芽腫とは?

小児悪性脳腫瘍の代表で、グリア細胞から発生する腫瘍です。原因不明で詳しい原因遺伝子も特定されていません。

好発年齢や部位

  • 14歳以下の小児
  • 小脳虫部

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14歳以下の小児に好発し、特に5~10歳に最も多く、20歳以上の成人に発生するのは稀です。男女比では、男児のほうが女児に比べ1.6倍多く発生しています。

通常小脳虫部に発生することが多く、時に小脳半球にも発生します。また、髄液を介して大脳・頭蓋底・脊髄の髄腔内に播種します。

髄芽腫の症状は?

腫瘍が発生する小脳での局所症状と、腫瘍の圧迫による髄液の通過障害が原因となる、頭蓋内圧亢進症状が中心となります。経過が早く、進行性であるのが特徴でもあります。

頭蓋内圧亢進について詳しくはこちらをご覧下さい。→頭蓋内圧亢進の症状や原因、治療法のまとめ
医師
小脳症状と頭蓋内圧亢進症状とに分けてご説明します。

小脳症状

  • 眼振
  • 体幹失調
  • 失調性歩行

腫瘍が生じる脳半球に浸潤していくことで、これらの症状が現れます。

頭蓋内圧亢進症状

  • 頭痛
  • 噴出性嘔吐
  • うっ血乳頭

腫瘍が中脳水道や第4脳室を圧迫し、非交通性水頭症をきたすことで生じます。

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髄芽腫の診断は?

CTやMRI検査、病理組織検査で診断されます。

医師
それぞれについてご説明いたします。

CT検査

腫瘍の境界は比較的明瞭で、等吸収から高吸収、高頻度で石灰化が確認出来ます。

MRI検査

T1強調像では低信号、T2強調像では等信号で、均一に増強されることが多くあります。頭蓋内やくも膜下腔などに高確率で播種するため、全脳および全脊髄の検索が不可欠です。

病理組織検査

播種の有無を確認するため、腰椎穿刺または脳室内髄液による細胞診を行うこともあります。

クロマチン(染色質)に富む腫瘍細胞で、円形または類円形の核を持ち、細胞質に乏しい嚢腫細胞で、極めて高い細胞密度(花環状配列「ホーマー・ライト型ロゼット」)が確認出来ます。

そもそも播種とは?
播種とは、本来ならば種を撒くという意味がありますが、ここでの場合、髄腔内に種を撒くように広がる疾患のことを言います。
症例:12歳女児
医師
髄芽腫を疑う所見です。

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(出典:2005年放射線科診断専門医試験問題8)

次第に増強する頭痛と嘔吐症状が現れ、単純CTでは第四脳室部に高吸収の腫瘤あり、DWIにて異常な高信号が一様に認められ、造影効果は不均一。

髄芽腫の治療法は?

  • 外科的療法
  • 放射線療法
  • 化学療法

が治療の選択肢となります。

医師
それぞれについてご説明します。

外科的療法

手術により、可能な限り腫瘍全摘出を目指します。水頭症に対するシャント術を行うこともあります。

放射線療法

術後に全脳・全脊髄・後頭蓋窩照射を行います。ですが、3歳未満の場合は、放射線療法による発達への障害を考慮する必要があります。

化学療法

  • ビンクリスチン
  • シスプラチン
  • ロムスチン
  • シクロホスファミド

などの併用療法が用いられます。3歳未満の場合は、放射線の代わりに化学療法を優先します。

また、進行が早いため予後が悪く、5年生存率は50%程度です。

最後に

  • 小児悪性脳腫瘍の代表で、14歳以下の小児に好発、小脳虫部に発生することが多い
  • 局所症状や頭蓋内圧亢進症状が現れる
  • CTやMRI検査、病理組織検査で診断
  • 頭蓋内やくも膜下腔などに高確率で播種するため、全脳および全脊髄の検索が不可欠
  • 手術での腫瘍全摘出を目指す

 

成人の場合の髄芽腫でも、外科手術を行い、後遺症のでない程度に腫瘍切除を行い、放射線治療と末梢血幹細胞移植術を併用した超大量化学療法を組み合わせ治療で5年生存率は40〜60%に向上と言われています。

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