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神経膠腫(グリオーマ)の中で、びまん性星細胞腫や乏突起膠腫などと同様、悪性度による分類でグレードⅡに値するものがもう1つあります。それは上衣細胞系に属する上衣腫(読み方は「じょういしゅ」英語ではependymoma(読み方はエペンデモーマ))

今回は、この上衣腫について

  • 症状
  • 診断
  • 治療法

をご説明したいと思います。

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上衣腫とは?

脳室壁を構成する上衣細胞由来の脳腫瘍のことを言います。原発性脳腫瘍の約1.1%、神経膠腫のうち約4.6%を占めます。

医師
悪性度による分類はこのようになっています。

oligodendroglioma

医師
こちらの記事も合わせてご覧ください。
その他グレードⅡの脳腫瘍

好発年齢・部位

  • 10歳未満の小児
  • 脳室内

特に3歳未満の小児の30%の脳腫瘍が、この上衣腫と言われています。しかし、小児ばかりでなく、成人にも発生します。

特に第4脳室壁に好発します。また、テント下や脊髄でもよく確認されますが、成人の場合はテント上でよく確認されます。

上衣腫の症状は?

脳室内に発生し、髄液流を阻害するため、多くは非交通性水頭症をきたし、それによって頭蓋内圧亢進症を生じることが多くあります。また、発生した部位により、局所症状を示すこともよくあります。

大脳半球・脳室に好発しますが、それ以外にも発生しやすいとされる部位があります。

医師
大脳半球・側脳室、第3脳室・第4脳室・脊髄それぞれに生じた場合に分けて、症状をご説明します。

大脳半球の場合

脳局所症状として

  • 片麻痺
  • 失語

などが現れます。

側脳室・第3脳室の場合

頭蓋内圧亢進症状として

  • 頭痛
  • 嘔吐

などが現れます。

第4脳室の場合

全体の約60%を占め

  • 頭蓋内圧亢進症状
  • 小脳症状

が現れます。

脊髄の場合

原発性脊髄髄内腫瘍の40-60%を占め、成人では最多となり

  • 頸部痛
  • 背部痛
  • 神経根性痛
  • 歩行障害
  • 痺れ
  • 直腸膀胱障害

などが現れます。

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上衣腫の診断は?

診断にはCTやMRIなどの画像診断が有用です。

医師
それぞれについてご説明します。

CT

等~高吸収域が認められます。また、約半数に嚢胞・石灰化が確認できます。

MRI

T1強調像で低~混合信号が、T2強調像で高信号の境界明瞭な腫瘍を認めます。しかし、石灰化のために不均一な信号強度を示すこともあります。

治療前には脊髄を含む全中枢神経の造影MRIを行い、播種の有無を確認する必要があり、髄腔内播種を伴う頻度も高くあります。

また、脊髄に発生することが成人の場合よくあり、その場合、造影ではほぼ全例に造影効果を認めます。

症例:50代男性

2年前から両上肢の痺れ、疼痛、徐々に進行が見られます。

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(出典:2013年放射線診断専門医試験問題12)

C4-5レベルにT2WIにて等信号で上下に嚢胞成分を有します。また、ほぼ均一に造影効果を認める腫瘤あるため、脊髄に発生した上衣腫を疑う所見です。

上衣腫の治療法は?

  • 外科的療法
  • 放射線療法
  • 化学療法
医師
以上が基本の治療法となります。

外科的療法で腫瘍全摘出を目指します。また、術後残存腫瘍に対し、放射線療法にて原体照射を行います。有効性は確率されていないものの、化学療法を用いることもあります。

5年生存率は72.3%です。多くは緩徐に発育し、浸潤傾向も強くないものの、発生部位によっては手術が困難なことも多く、また、再発することもよくあります。

最後に

  • 脳室壁を構成する上衣細胞由来の脳腫瘍
  • 悪性度による分類でグレードⅡに当たる
  • 頭蓋内圧亢進症状や局所症状が出る
  • CTでは約半数に石灰化を認める
  • 外科的療法で腫瘍全摘出を目指す

 

予後は手術で腫瘍全部を摘出出来たかどうかに関わります。また、手術で摘出が出来た場合、子供の場合は特に特別なリハビリや訓練を行わなくても徐々に自然回復が見込めることが多くあります。

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